第1章 始まりの章
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悪ガキ共と一楽に行った日からしばらくが経ち、アカデミーに入ってから二年がたとうとしていたある日。
「だーもう!なんで覚えられないんだ!毎回少し変えてくんのやめろよ!」
一楽での約束通り、シカマルは毎朝学校で私の髪を結ってくれる。
もちろん、シスコン代表のシゲはシカマルが結うのを食い入るように見ているが、不器用なのも相まってなかなか覚えられないらしい。
ついでに、結うのが楽しくなってきたシカマルはアレンジ方法を日々変えているらしく、シバが結い方を覚えるのは困難そうだ。
「はぁ、シカマルも意地悪しないで結い方教えてあげればいいのに。」
「最初はそのつもりだったけどよ、あいつ、不器用過ぎなんだよ。」
それを聞いて、ああ、と納得する。
私も人の事言えないが、シバもなかなか不器用なのだ。
「んー。でもなあ、いい加減シカマルに髪結ってもらい続けるのも悪いし、私も覚えようかなぁ」
「そう言って先週、オレの髪ボサボサにしたのはどこのどいつだ?」
「…それは本当に申し訳ない…」
シカマルに教えてもらいながらシカマルの髪を結って練習したことがあるが、びっくりするくらいボサボサになった。
…よく覚えてないけど、前世ではそこまで不器用じゃなかったのになあ…と思いながら、お詫び、と言ってシカマルのボサボサになった髪をとかしたのだ。
「…それに、最近は結うのにハマってきたからな。気にすんな」
「シカマルの髪も長いんだし、自分の髪はやらないの?」
「男が凝った結い方してられっかよ。」
「あー、シカマルらしい、ね。」
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【主人公 メモ】
・主人公は、不器用らしい
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