第1章 始まりの章
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「そーいや、オマエ随分と髪伸びたよな」
ナルトとシバの抗争を微笑ましく見ていると、急にシカマルがそんなことを言い出した。
まさかそんなこと言われると思ってなくて、少し驚いた。
「あー、切るタイミング逃しちゃって。春休みにでも切ろうかなって。」
「えー?その髪切っちゃうの!?」
ラーメンに集中していると思っていたチョウジも会話に加わり、残念そうに言われると、なんだか申し訳なくなる。
「私の髪、赤毛で目立つから。短いほうがいいの」
なんでもないように言ったのに、シカマルは何故か箸をおいて私の髪を触ってきた。
「え、ちょ、なに!?どうしたのさ!」
異変に気づき、隣でナルトと口論していたシバはこちらを向き。
「カエデに何してんだよシカマル!いくらオマエだからって許さねーぞ!?
ほら、カエデの髪から手を離せって!!」
と、コイツも箸を置きシカマルの手を私の髪から離そうとシカマルに掴みかかろうとするも、
「いま来たらカエデの髪を引っ張りかねねぇからやめとけ」
とシカマルに言われ、とりあえずおとなしくなった。
優しい手つきで髪を結っていき、数分後には首に髪が掛かる感じかしなくなった。
「…よし、出来たぞ。ねーちゃんもピン貸してくれてありがとな。」
「いいのよ~、ってあらカエデちゃん、すっごく似合ってるじゃない!こっちのほうがずっといいわよ!」
「え、あのえっと。ありがとうね、シカマルもお姉さんも。」
正直、今自分がどうなっているか分からないけど、髪が邪魔じゃなくなったことは確かなのでシカマルと一楽のお姉さんにお礼を言う。
今まで短い髪だったから、アレンジしたことなかったけど…
きっとシカマルのことだから綺麗に結ってくれてるんだろう。
あんまり慣れないけど、少し嬉しかったり…
今まではあんまり好きじゃなかった髪を気にしなくなったのも、シカマルのおかげだった。
シカマルが、長所って言ってくれたから。
推し効果って絶大なんだな………
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