第1章 始まりの章
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レイは、思いを口にした
「サスケは、本当に良い奴なんだ。
サスケを助けたい。でも俺は原作を変えたくない。
…原作を変えないためには、この二年でサスケから離れなきゃいけない。このままだと俺が、最も親しい友になっちまう。
この物語の根本が変わっちまう!
そもそものイレギュラーがいる時点で起こるかわからねぇ事件の心配をしたってしょうがないのは分かってる。
でも、それでも俺はこのまま原作通りに進むことを望んでる。
…だから俺は、二年後、事件が起こる前に旅に出る。火影様には話を通してる。」
レイはまっすぐ、覚悟したように宣言した。
驚いたけど、どうせ私が止めたって聞かないだろうし、私に止める権利はない。
…それぞれのやるべき事をやろう。ってこと、なのかな…
「…そっか。頑張れ。
…私も、二、三年後に医療忍術を習いたいって火影様に言うつもり。独学じゃあ限界があるから。
もしかしたら里を出ての修行になるかもしれない。
ナルト達よりも先に下忍になる。今はそれが目標。
…私はね、レイ。たとえ原作通り行かなくても、全員死なせたりしたくないの。
そのための修行、そのための医療忍術。
でも私一人じゃ限度がある。現にイタチを救う手立てが思いつかない。
…だから私は、流れに沿って皆を救う。そう決めたの。」
多分、レイと私が目指している道はぜんぜん違う。
よくある、トリップ系夢小説における主人公の思考の分岐点。
原作通りに自分はモブとして生きる派と、推しを守りに原作に入っていく派。
私は後者だけど、レイは前者。きっとこれから衝突が多くある。
…でも今は、まだ原作が始まっていない今だけは。一緒に修行して強くなりたいと、そう思う。
これからどうなるか、分からない。
原作を知っていても、大蛇丸の事や、暁のこと、
…全てを止めるのは、ひとりじゃ無理だから。
私は、どうするのが正解なのだろう
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