第1章 始まりの章
、
「みき…?」
一瞬、思考が停止するかと思った。
少しクセのある黒い髪。綺麗な顔立ちの…男の子。
何も、何処もみきと似ているところなんてない。自分が発した言葉に、驚きさえした。
でも、彼女だとなぜだかそう感じた。
みきは綺麗で、かっこよくて、いつもは口数少ないけどヲタトークだとびっくりするくらい饒舌になって、優しくて、頼りになって…
もう、会えないんじゃないかって思ってた。
でも、それでいいと思ってた。
もう会えないってことは、みきは死ななかったってことになると思うから。
私がみきだと思った男の子は、数秒私をみて固まり、何かをつぶやいて自分の席に座った。
彼はなんとつぶやいたのだろう?
もしかしたら、私の前世の名前だろうか?
そういえば、自分の名前だけは思い出せない。
「おい。急に黙ってどうしたんだよ?」
「え?…あ、ごめんごめん。ってあれ?奥の子…」
あれこれ考えて自分の世界にいたのを、シカマルに呼び戻された。
まあそれはよくて。
シカマルの奥の子に注目してしまう。
シカマルの奥には、ぽっちゃりで可愛いチョージが!!
これ、みきに何回言ってもわかってもらえなかったけど、チョージ可愛くない?
「秋道チョウジっつうんだ。チョウジは優しいやつなんだぜ?」
知ってるよ安心してシカマル!優しいよね!かわいいよね!
チョージを紹介してくれるシカマルを心のなかで全肯定する。
だってチョージとシカマルのコンビ好きなんやもん。
「えっと…よろしくね~」
「かわいい…」
思わず口をついて出た言葉。かわいい。
…うん。しょうがないかな。かわいいチョージが悪い!
二人が驚いて固まっているのなんて知らない知らない。
まぁチョウチョウも可愛いし、やっぱりぽっちゃりって可愛いよね
その後、可愛いと言われ慣れていなくて照れているチョージと、魔性だ…なんてつぶやいているシカマルを無視してイルカ先生の話を聞いた。
--------------------
【主人公 メモ】
・主人公は、チョウジを可愛いと思っているらしい
、