第8章 【番外】ある日ある時
あの夜、俺とエルヴィンが話をしている所にハンジがどこからか一升瓶を2本両肩に担いで来たことから、3人で酒を飲み始めた。
「ねぇ〜今回巨人を生け捕りに出来るような機会に巡り会えたらさ!連れて帰ってもいいかな〜!!でも生け捕りにするんだったら予め罠を張って捕獲出来る体制を整えたいんだよね〜!いずれは奇行種とかも持ち帰って色々試してみたいこともあるからさ!楽しみだよね〜!!わくわくしちゃうね!!」
と、分かりやすいほどいつもに増して饒舌になっているところから、ハンジはだいぶ酒が回ってきているらしい。
ハンジの横を見るとすでに空になった瓶が1つ転がっている。
自身も酔いが回り始めたのか、視界の歪みに気づいてああ…と時計を見ると、飲み始めてもう数時間が経ったらしい。
「ハンジ、今回は巨人の生け捕りを目的とはしていない。新兵達の初陣でもあるからね。」とハンジとは対照的に全く酔いを感じられないエルヴィンの様子に、ハンジは面白くなかったらしい。
「もう!エルヴィンはさ!固いんだよ!」
そう言ってグラスに酒を目一杯注ぐと、一気にエルヴィンの口に流し込んだ。
ごくりと全てを飲み込むと、ふうーっと息を吐くエルヴィン。
その顔色も目つきも変わっていない。酒に強いとは分かっていたがここまでかと呆れ半分で見ていた。
「エルヴィンだって巨人のこともっと知りたいと思わないの?!研究が進めば壁外調査の役にも立つのに即答しちゃとてさ!どうせマリーが巨人のことをもっと知りたいとでも言えば私の時とは違って少し考えるんだろうけどね!」
嫌味混じりで酔っ払ったハンジが項垂れる。
ハァ……とため息をついてハンジから酒の瓶を遠ざけようとしたその時。
「マリーか……」とエルヴィンが呟いたため思わず顔を上げた。