第1章 嘆きの声
「その声は私にしか聞こえないはずなのに、最近村の人達が泣き声を聞くようになったって知らされて…」
「その石は多分イノセンスだと思います」
―――イノセンス?
首を傾げて2人を見る。ラビが続けて言った。
「そして多分…メリッサは適合者さ。今回の怪異は絶対にイノセンスが原因さね」
イノセンスの、適合者。
私が…?
「メリッサはサポーターだから…知っていますか?イノセンスのことを」
「じゃあ私は…エクソシストになるってこと?」
「簡単に言えばそうさね。さっさとイノセンスを探して教団へ戻るさ」
「ラビ!まだメリッサは混乱しているかも…」
2人だけの秘密だよ。
父さんの声がずっとずっと頭の中で響く。
「…父さんは全部、知ってたんだわ」
「大丈夫ですか…?」
「混乱するのも無理はないさ」
2人が心配している。
迷惑をかけないようにしなくちゃ。
「いいえ、大丈夫です。そうと決まれば、早くイノセンスを探しましょう。…この屋敷にあればいいんだけれど」
ごめんね父さん、母さん。
私、何だか嬉しいの。
もしかしてあの声にこたえられるかもしれない。
そしたら何かが変わる。
全部、初めから生まれ変われるの。