第1章 嘆きの声
確かその日は、雨の日だった。
珍しくクロスのおじ様がうちにいらっしゃっていて、嬉しくて嬉しくて仕方なかった。
一日中まとわりつく私に、おじ様は頭を撫でてくれた。
だけど父さんに叱られて、母さんは笑ってた。
キラキラした人生が終わったのは、その日の夜中。
なぜか体中が熱を持ったように熱く、思考回路もきちんと回っていなかった。
それなのに私の足は勝手に動いた。
いつの間にか父さんの書斎にいて、私の手には綺麗な石が握られていた。
綺麗で綺麗で、でもなぜか怖くて、手放そうとした時、その石が光った。
気がつくと、私は自分のベットで寝ていて、隣では母さんがうたた寝をしていた。父さんはとても悲しそうな顔をしてた。
寝ている間にクロスのおじ様は帰ってしまったらしい。
石のことなんてすっかり忘れて、残念がる私に、父さんはもう二度と書斎に入るなと言った。
そして私を抱きしめて…