第1章 嘆きの声
「とりあえずここに。お茶を持ってきますね」
「ありがとうございます、メリッサ」
「うおー!でっけぇえええ!」
2人をリビングに通し、私はキッチンへあらかじめ用意しておいたティーセットをとりに歩く。
はしたないですよ!とアレンが叫ぶ声が、リビングから聞こえ思わず口元が緩みそうになった。
―――アア…ウッ…アアア…ヒッ…
耳の奥で“泣き声”が聞こえ、自分の顔から血の気が失せるのがわかった。
「…また…これ」
なぜだろう、あの2人に会った瞬間あの泣き声が酷くなった。
私以外には聞こえない、嘆きの声。
いや、私以外には聞こえないはずだった。
お湯を沸かし、木イチゴのパイを皿に出す。
確かアレンは、とても大食いなはず。
「切り分ける必要はない…かな」
ふと時計を見ると、針はもう夕方の4時をさしていた。
あの泣き声が村の人に聞こえるのは、夜中だ。
…話をする時間はある。
今回の怪奇現象について。