第2章 黒の教団へ
「最後に…ここが科学班。…今は徹夜明けで皆ちょっと疲れてるけど…ね…」
白衣を着た科学班の班員らしき人達が、最早瀕死レベルの状態でフラフラと仕事をしていた。リナリーは心配そうに班員達に駆け寄り、「大丈夫?」と声をかけている。
「…まるで地獄絵図…」
唖然とするメリッサに気がついた科学班の班員、ジョニー・ギルが「俺…ついに死んだのかな…聖母っぽい人が見える…若いけど…」と呟いている。
それを見た科学班班長であるリーバーがジョニーの頭を小突く。
「起きろジョニー!あ…メリッサ…だよな?俺はリーバーだ。ちょっと聞きたいことがあるんだ」
「…はい?」
「父親の名前はリチャード・ワグナーか?」
「ええ…?」
その言葉を聞いた途端、班員達が全員メリッサを見た。わけもわからないまま注目され、何故か危険を感じたメリッサは恐る恐る後ずさる。なんといえばいいのか、班員達の目は“探究心”という名の欲でいっぱいだった。
そして…
「「「「うわああああああ!!!!」」」」
「!??!!?!」
突然メリッサに群がり、鼻息荒く興奮した様子の班員達に、メリッサだけでなくリナリーも驚いた様子だ。
「えっ、えっと、え…」
「まあ許してやってくれないか、メリッサ」
「リーバー班長…これは…?メリッサのお父さんは有名な人…なの?」
リーバーは頭をかきながら、リナリーに照れ笑いのようなものをした。彼の目の中にも、幼い子供のような輝きがあったことをリナリーは見逃さない。
「リチャード・ワグナーは、黒の教団きっての天才学者だったんだ。俺達科学班の憧れさ」