第2章 黒の教団へ
「わあ…」
船でゆっくり向かってくる青いドレスの少女が見え、思わずリナリーは感嘆の息を漏らした。
恐らく自分より年上であろう彼女の顔は、青色のヘッドドレスが隠してよく見えないが、長く伸びる金の髪はとても綺麗だ。
「こちらです」
「ありがとうございます」
門番が差しだした手をとり、優雅に船から降りてくるその様子は“貴族”を彷彿とさせる。溢れ出る気品と優雅さが、更にリナリーをぼうっとさせた。
「…あの…?」
「へ?あ…あ!ご、ごめんなさい!私リナリーです。案内役を…」
「私、メリッサ・ワグナーです。どうぞメリッサと呼んで下さい」
そこで初めて彼女の顔が見えた。
緑の目が印象的な、整った顔立ちを持った人だ。可愛いというよりは、綺麗な人という印象が強い。
「よろしく、リナリー」
にっこり、と蜂蜜のように笑うメリッサにつられて、リナリーも笑った。
「教団へようこそ、メリッサ」