第1章 嘆きの声
「んー…ここ何処さ…」
「汽車の中ですよ。あと1時間で到着だそうです」
「ふあー。なんか飲み物ー」
寝起きでぼーっとしているラビに紅茶を渡す。それを一気に飲み干したラビは、思い出したように「あ」と言った。
「そういや、メリッサの両親は?」
「…お母さんはメリッサが9歳の頃に病気で亡くなったそうです」
「…そうか。じゃあ親父さんは?」
「理由は不明ですが、…亡くなっているそうです」
「…とにかく家族はいねえってことか」
家族がいない。
アレンは思わず「大丈夫かな…」と呟く。まるで自分のことのように感じた。
ラビも思うところがあるのか、少し眉根を寄せて考えている。
「彼女にとって教団が…新しいホームになればいいんですが…」
「…大丈夫さ。根性ありそうだし、すぐ慣れるさ」
2人はそれから暫し沈黙したあと、今度はアレンが「あ」と呟いた。
「そうだ。コムイさんにもうすぐ着くって連絡を…ティムー」
アレンが自分の身の回りを探すも、あの金色のゴーレムは見当たらない。
「ティムならメリッサと一緒さー」
「え゛?!」
「メリッサの道案内をするんだと」
ティム…お前はいつも勝手すぎる…。
アレンが頭を抱えて心の中で呟くも、その言葉がティム・キャンピーに届く事はなかった…。