第1章 嘆きの声
――After a few days…
ヘッドドレスをつけて鏡を見る。少しズレているのを直してから、くるっと回ってみた。深い青色のドレスがふわふわ揺れて、レースが優しい音を立てて舞い上がる。
母さんが“とっておきの時に使いなさい”と言って買ってくれたもの。
「…でもごめんなさい。これを着るのはこれが最初で最後よ」
母さんと父さんの絵を撫でると、何故か応援されている気がした。
ふと、3日前にここを立ち去ったアレンとラビとの会話を思い出す。
*
「じゃあ僕たちは先に教団へ戻ります。…一緒に帰れなくて…すみません」
「いいの。気にしないで」
「いーか、メリッサ!危なそうなオッサンについていっちゃーいけませんよ!」
「…ラビはいつの間にメリッサのお母さんになったんですか…」
*
初めてこの村を出ることに若干の不安を感じながらも、メリッサの気分は晴れやかだ。
真新しい靴を箱から出し、足に履かせる。ドレスやヘットドレスと同じ、青色のヒールだ。
この靴で、私は新しい居場所を見つけに行く。
でもまずは
「…どうやって汽車に乗ればいいんだろう…」
脱・箱入り娘だ。