第1章 ー東堂尽八の場合ー
「は、あっ…流石にナカ…熱いな」
「あっン、あぁ…!尽八、こそ…熱ッ…」
「あれだけ玲香の乱れる姿を見ていたから、こうもなる…あぁ、オレは今最高に幸せだ」
フッと微笑む尽八は凄く綺麗で、本当に私が妻となってしまって大丈夫なのだろうかと不安になるほどで。
だって、社内で知らない人は居ないってくらい尽八は有名で。どの部署にも一人は好きだっていう子が居る。
毎日私が仕事終わるのを待ってたりとか、尽八からのアプローチは凄かったけど…
そんなモテ男の妻が、私で良いの…?
「こら、今余計なこと考えていたろう?この状況で別のことを考えるとはな…」
「え?尽八、違っ」
「せっかく甘く優しい夜にしようと思ったのだが…わからせる必要があるな?オレがどれだけ玲香を愛しているか、しかと刻み付けんとな」
「待って、尽八…!ひあ、あんっ!あぁッ!」
「俺のことだけを見ていればいい。愛しているぞ…誰よりもな」
必死にコクコクと頷くのが精一杯で、喋ってなんかいられない。
尽八が腰を突き上げると電流のような快感が襲ってきて、一段と高く甘い声が止めどなく溢れる。
室内には私の喘ぎ声と、お互いの荒い息遣いが響く。体同士がぶつかり合う音に興奮すれば再奥を貫かれ大きな喘ぎ声を漏らし弓なりに背中をそらし快感の波を受け止める。
迫りくる津波のような激しい快感の波に目を開けていることも難しく、尽八の細く綺麗な手に包まれたかと思えばギュッと握り締めていた手がゆっくりと解かれ尽八の指が絡まる。ゆっくりと目を開ければ尽八の優しい笑顔が見えて、思わず私も微笑むとお互いに離れないよう強く繋ぎ合う。
「ハァ、はぁっ!玲香、玲香ッ!」
「あぁっ!じ、ぱち…ッ!んぁ、あ、ふ、ンン!あンッ!」
何度も名前を呼ばれればそれだけで再び体の奥には熱が帯び始め、尽八の声にさえも敏感に体は反応してしまう。
「ッく…気持ちいい、か…?」
「んっ!う、アッ!いい…っ、気持ち…あぁッ!」
「フッ…そう、だったな…玲香の、イイトコは…」
ココだな、と耳元で囁いた尽八は一旦抜けそうなほど腰を引いてから再奥を一気に突き上げ、まるで尽八の熱くて硬い欲望から何度もキスをされるような細かな律動に無意識に締め付けてしまえば、尽八から熱い吐息が漏れる。