第1章 ー東堂尽八の場合ー
「んァあっ!は、あっ!ンン…っ…!あぁン!」
段々と手足に力が入り始めるのがわかる。そうでもしないと快感を受け止めきれそうもない。尽八もそれに気付いてくれたのかそっと額に優しく唇を落とすと絡み合っている指を緩く握ってくれて。
不思議と安心する…
「っ、ひぁ!あんっ、あぁ…尽八ッ…ね、もう…ッ」
「あぁ、イく前の玲香は…最高に美しいな。何時までも見ていたくなる…」
「やっ、そ…んなッ!」
会話をしている今も尽八からの緩い刺激は続いていて、達したいのに達せない苦しさに眉を寄せる。手の甲に何度もキスをしている尽八を恨めしそうに見ればフッと表情が崩れて。
「つい、虐めてしまうな。わかった…玲香が美しく咲き乱れるところを堪能させてもらおう」
「ひゃ、あっ!ハァ、はぁっ…あっ、あっ!」
再び急に激しくなった突き上げにビクビクと全身を震わせて応える。尽八のそれが蜜壺を擦れる度に厭らしい水音が漏れ、不規則なタイミングで再奥を貫くと一際大きく体は震え背中を反らして悦に入る。
「ハッ、あう、ンン!あッ…だめ、も、だめっ…あ、あぁ…っ…ひゃ、あぁああン!」
尽八から惜しみなく与えられる快楽の波は、あっという間に私を飲み込んで溺れさせる。
それに抗うことも出来ず、追い詰められるままに絶頂を迎えるとナカが締まったのを感じた。それに合わせて尽八が息を呑んだのがわかる。
何度か再奥にキスをするように腰を打ち付けた尽八は、小さな声を漏らしビクッと震え荒い呼吸を繰り返している。
ほぼ同時に絶頂を迎えることが出来たらしいことに嬉しさと幸福感で満たされる。
「玲香…何度でも言おう。愛しているぞ」
「尽八…私も、愛してる。これから、よろしくね?」
「もちろんだ。世界で1番幸せになるぞ」
「うん!」
尽八とならそれも可能な気がしてくる。
ギュッと彼に抱き付けばしっかりと抱き締め返してくれる逞しい腕。やっぱり安心する…
「っ!や、あっ、尽八!?」
ホッとしたのもつかの間、再び快楽を感じて慌てると子どものような悪戯な笑みを浮かべた尽八。
「一回で終わりとは言ってないぞ?まだまだ夜は長い。初夜は今日だけだからな、思う存分楽しむぞ玲香!」
尽八からの溢れんばかりの愛情は翌朝まで降り注がれ、世界一の幸せ者だと実感した。
ー完結ー