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BLEACH 叶わない願いをそれでも願う

第3章 響く音はひろがりとどく



人の気配がして目が覚めた。

其方を見れば、深い溜息の後に私にむけた石田さんとの視線がかち合った。


瞬間、固まってしまう石田さん。


おもいっきり顔逸らされた。

あれ…。耳たぶが赤い。



カチャっと眼鏡を直す音がする。


雰囲気的に口には出さない方がいいと思って、その事は黙った。





私は寝たままで、石田さんに話しかける。




「あの……わたし…」
「また倒れたんだ。お店まで帰る途中でね。」

「………………はい。覚えてます。」





「浦原さんが簡単な処置をしたけど、まだ君は万全じゃないらしい。」

「………なるほど。」










流れる無言の時間。







そういえば。

石田さんと、ちゃんと視線が合う気がする。
今までがそうじゃなかったから、なんか不思議だけど悪い気はもちろんしない。


ほんの少し、安心した。





そんなことを考えていた私は、じぃっと石田さんを見てしまっていたようだ。








「………みんなに声かけてくるよ。心配してたから。」



眼鏡を直して呟いた彼は、立ち上がって襖に歩いて行こうとしていた。


「石田さん…。少し、話したいんですが駄目ですか」



布団から起き上がってそう告げれば、石田さんは、しばらく動かなくて。

やがて、ひとつ頷いて布団の近くに座ってくれた。
 

私は、この間の事を話そうと思っていた。
自分なりに考えたこと。
意を決して、石田さんを見たのだが………。


「僕も、君に聞きたいことがあるんだ」



石田さんの一言に、私はキョトンとしてしまう。

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