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BLEACH 叶わない願いをそれでも願う

第2章 戸惑いこころ


「ありがとうございました!」

購入した袋を持って花屋を後にする。

千春ちゃんにあげたくて、立ち寄ったお店。

悩んだ末に選んだ花束。




   気に入ってくれるといいなぁ





少しのふわふわした気持ちを抱えて
私は大きな銀杏の木のある交差点へ向かう。






「あ、お姉ちゃん!今日は早いんだね。」

「大事な日だから、学校サボっちゃった。」

「………いいの?」

「一日くらいは大丈夫かなと。」

眉根を吊り上げる千春ちゃんに
あははと乾いた笑みで私は返す。


私は後ろ手に隠したものを千春ちゃんに手渡す。

「うわぁ!きれい‼︎」

「今まで仲良くしてくれたから、あげたくて。」



黄色に淡く甘草色が混じる小柄なぼたんゆりの花束。

お店の人は、えと、チューリップって言ってたかな?

色とりどりの花があったけど、いちばん千春ちゃんらしくて選んだ。

綻んだ笑顔と言葉にこちらも贈って良かったと思う。


人気はまばらで今は登校中の子供がちらほら見れたり、朝の散歩をする人がいたり。
 

「お父さんやお母さんは、まだきてないんだね。」

「うん。お昼前には此処に来るよ。」

千春ちゃんに向き合って聞いてみる。
その顔は、落ち着いている様にみえるけど…なんだろう。




その時にそばにいるよ、とは言わない。
それは千春ちゃんと家族だけの時間だから。



キュッと死覇装を握る手と紡がれる言葉。


「来るまで、そばにいてくれないかな…」

伏せられた目が気にかかって、ぽんッと頭を撫でる。 

「もちろんだよ。」

さっきの顔は、やっぱり少しの寂しさがあったのかな。
それを拭い去って欲しくて、たくさん千春ちゃんと話をした。



お互いの好きな色や花の話。
季節では夏がいいけど、冬は苦手なこと。

お母さんの作る好きな食べ物や
お父さんのかっこいい話。



ずっと、話していた。

時間も流れていく。



お昼に近ずく時、私は見廻りをするからと
千春ちゃんに言った。



「大丈夫だよ。千春ちゃんの時間が終わる頃には戻るから。」
「うん、ありがとう。…ちゃんとお別れしてくるね…。」




遠くに連れ立って歩く夫婦の姿が見える。
手には花束があるところを見ると、彼らがご両親だろう。



私は笑顔で応えてその場を瞬歩で去った。


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