第2章 戸惑いこころ
今日の学校は短縮授業でお昼過ぎには終わる。
だからといって始業時間はかわらない。
生徒会室で用事を済ませた僕は教室に向かっていた。
それでも始業まであと10分しかないから
少し早めに歩いている。
教室に着くと殆どクラスメイトがいて、井上さんが茶渡くんと話していた。
珍しい組み合わせだとは思ったが、茶渡くんのジムの話で盛り上がっていたようだ。
「石田くん、おはよう。」
「おはよう井上さん。」
僕に気付いた井上さんが挨拶をしてきた。
昨日の事があってか少しぎこちない様な気がしたけれど、気にせず返事の挨拶をした。
「石田にしては遅かったな。生徒会か?」
「そうなんだ。引継ぎの時期まで時間がないから、いろいろとね。」
鞄を整理していると、ピピッと時計から音が鳴る。
始業まであと5分前を知らせる通知だ。
「石津さん、今日休みなのかな?
こんな時間に居ないなんて初めてだよね。」
「確かにな………」
と、ダダっ!と走りこむ足音に驚いて其方をみれば、息咳きった黒崎の姿があって驚く。
「黒崎くん汗凄いよ?」
「………寝坊でもしたのか?」
息も絶え絶えな黒崎に井上さんが
下敷きを取り出して思いきり煽ぎ、風を送る。
………なんとも言えない状況だ。
「まったく。だらしないぞ、黒崎。」
「うっせ!間に合ったんだからいいだろ」
予鈴を知らせる鐘の音が学校に木霊する。
ホームルームの出席確認で彼女が欠席だと僕らは知らされた。
彼女の席へと視線を向けるが、主のいない席は物静かだった。
何があるわけでもない。
会話も殆どない。
ただ、隣にいる彼女の姿が今日はない。
それだけなのに。
チリっと心は音を立てている。
よくわからない感覚を消したくて視線を前に向ける。
そして緩やかに時間は過ぎて、あっという間に学校は終わりを告げた。