第10章 冬、めぐる狐日和のなかで
河川敷に冬晴れの日差しが降り注ぎ、目に眩しい。
寒風が強く吹いて、手の中のノートのぺージをめくる。
手影を作って遮りながら、ふと思う。
あれから3日が経ったのかと。
私のためにと書かれたもの。
何度も消しては書いてを繰り返していたのか、皺が寄って紙も汚れている箇所が多々ある。
霊である自分が生前辿ったであろう道筋。
経験したであろう事柄が記されていた。
彼女に話そう。
こんな老ぼれの思いを。
きっと数時間したら、会えるだろうと確かな気持ちを胸に、待つことにする。
待ち遠しいとは、こうゆうことかと噛み締めながら。