第2章 戸惑いこころ
雨乾堂を後にして隊舎へ戻る道。
「悩みは晴れそうか?」
「………半分くらいは。もう半分は、副隊長の御言葉を活かします。」
「そうか。」
それ以上副隊長はその事には触れなかった。
少しの安堵感が胸に広がる。
でも、話をやめたくは無くて話題を私から振った。
「副隊長、カレー食べましたよ!」
「おお?!どうであった?美味いだろう?」
「最初はただ驚きしかない食べ物でしたが、美味しかったです。」
瞳をキラキラさせながら話す姿はちょっと意外だったけれど、楽しそうでこっちもつられて笑った。
と、前から凄い速さでこちらに来る人影がある。
誰だろうと2人で立ち止まると、現れたのは阿散井副隊長だった。
………何やら機嫌が悪い様な?
息を切らしているのに目だけはルキアさんに向いていた。
ギロリと鋭い。
「ルキア‼︎仕事押し付けてんじゃねぇ!
あれから大変だったぞ!」
「む………すまぬ恋次。女二人で久しぶりに語らってしまった。」
まあまあと手で落ち着かせながら話すルキアさんに、盛大な溜息を返す阿散井副隊長。
「まぁ済んだからいいけどよ…。石津もわざわざこんな時間にご苦労なこったな。」
「私は定期報告をしに此方に来たんです。
むしろ総隊長や朽木副隊長、阿散井副隊長にまでご迷惑をおかけしてすいません。」
私の言葉にガシガシと頭をかきながら
阿散井副隊長は応えた。
「べつにそんな事思っちゃいねぇよ。俺だって久しぶりに石津の顔みにきたんだ。堅っ苦しい呼び方も、今は無しだ。」
その一言に有難いと思う。
お二人に向き直った私は、一礼した。
「ありがとうございます。ルキアさん、恋次さん。」
顔をあげて、真っ直ぐ目をみて告げる。
「私の務めをする為に、現世に戻ります。」
「………そうか。行ってこい石津。」
「一護達によろしく伝えてくれ。」
「はい!」
お二人に背を向けて、私は走り出した。
急げば現世には夜明け前には着くだろう。
今日は、約束の日だ。
早く、行こう。