第2章 戸惑いこころ
夜が更けていく。
雲の切れ目から覗く月明かりが格子窓から漏れている。
布団に横たわっていた私は、寝付けずにいた。
早めに休ませて貰ったはずなのに、ずっとゴロゴロしてしまっているのだ。
寝付けない理由は………自覚してる。
でも、考えたくない。
何度目かの寝返りで体を起こした。
「定期報告、少し早まっても大丈夫だよね………。」
駐在任務に就いた死神は、伝令心機での指令をこなす他に現世に異常がないか直接報告の義務がある。
半月に一度と決まっているが、報告をサボる訳ではなく早めるのだから、きっと許されるだろう。
そう考えた私は、浦原さんに書置を残して
起きぬけのモネに謝りつつ、死神化した。
穿界門を開いて、数日ぶりにソウルソサエティの土を踏んだ。
「石津が此方に来ているだと?」
「ああ。総隊長に定期報告しに来たらしくてな。さっき朽木隊長の地獄蝶が伝えてたぜ。」
寝耳に水だ。
何故こんなに早く、そんなことをしにわざわざきたのか。
私は十三番隊の執務室で資料に目を通していたのだが、恋次の話に驚いていた。
「彼奴め…。何かあったか?」
「久しぶりの挨拶しようと思ってルキアのとこ来たんだが、まだ会ってなかったんだな。」
椅子から立ち上がり、恋次の方を向く。
「悪いが、少し出てくる。いいか恋次?」
「別にいいぜ。俺の仕事は終わってるからな。数日しか会ってないとはいえ、ちゃんと顔見てこいよ。」
「………わるいな。」
肩をすくめる恋次に礼を言って隊舎を後にする。
ひとり残った恋次はやれやれと溜息をついて
長椅子に腰を下ろした。
「………待てよ。ルキアの奴、この資料どうするつもりなんだ。」
視線の先には一冊の資料が机にある。
目を通した書類に捺印するだけだが、まだ残りはかなり有る。
「あいつ、いいか?って……これをやれって事かよ?!」
あんのやろー。押しつけやがったな!