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BLEACH 叶わない願いをそれでも願う

第1章 始まる音は聞こえない


「あれ、こんばんは石田くん。」 


一人暮らしのアパート近くに差し掛かる時
クラスメイトの井上さんに会った。



「井上さん。バイトの帰りかい?」


「うん、丁度よかった!
パンいりませんか?石田くん」


「いいのかい?バイトの度に
持ってきてくれているんじゃないかな。」



「私も貰ってて。黒崎くんや茶渡くん、
たつきちゃんにもあげてるんだ。
捨てちゃうの勿体無いから。」



「そうか、有難くいただきます。今度、」



ピピピピピピ!


けたたましい通知音が会話を遮る。

発信源は制服のポケットの携帯から。

浦原さんから虚退治要請が有れば
通達が来るようになっている。



「ごめん井上さん、また後で連絡するよ。
 どうやら助けが必要みたいだ。」



「え?黒崎くんは?」



「奴の気配もあるけど、
さっきから変な霊圧を感じるんだ。
とにかく行ってみるよ。」



「私も行くよ!」



「気持ちは嬉しいけど…
その荷物はどうするかな?」

「あ…」



彼女は通学鞄と一緒に
たくさんのパンが入った袋も持っていて、
とても早く走るのは難しそうだ。


目が点になっている井上さんに
安心させるように僕は言う。




「荷物を置いてからで井上さんは大丈夫だよ。
僕が行くんだから、手こずってるのなんて直ぐに終わるさ。」



「わかった。ごめんすぐに行くからね!」



そうゆうと自宅に向かって
井上さんは走って行った。



彼女は霊を見ることができ守る力もある。
でも、優しすぎる心は戦いには向かない。



だから、僕が行けば怪我をしなくて済む。

元々そんな事させるつもりは微塵もないけど。




星が出始めた空を見上げる。




どんなに平和になっても
虚退治だけは無くならないみたいだ。




   さあ、僕も急がなくては。



とっぷりと日が落ちた街中を目的地まで走って行った。
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