第2章 戸惑いこころ
昇降口の死角になる壁に寄り掛かる私は
あまりの事に動けずにいる。
座り込んでいる足はジンジンと痺れて少し痛い。
でも、今いちばん痛いのは
石津さんと石田くんの心だ。
「どうしよう………。」
ギュッと鞄を抱え込む。
最初はただ、石津さんが昇降口に向かうのが見えて、一緒に帰りながらパンを渡そうと考えてた。
声をかけようとして、でも誰かと話している様だから終わるまで待っていたのに。
あんな場面を聴いてしまうなんて。
石田くんは、私に気付いているんだろうか。
いや、今はそこじゃない。
私に何か出来る事はないのかな
昼休みに石津さんは言ってた。
「石田くんとは話せなくて残念だったね…」
「今回は仕方ないですけど、少しずつでもやってみようと思います。私今日は井上さん達と過ごせて楽しかったですよ!」
拳を作って笑顔の石津さんはキラキラしていた。
純粋に仲良くなりたいと言った石津さんに
応えてあげたいと思ったんだ。
何かあるはず。
友達のために出来ることが、何か。
顔をあげて、ぐっと立ち上がる私に着信を告げたスマホ。
ディスプレイの名前に慌てた私だったけど、通話ボタンを押すのだった。