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BLEACH 叶わない願いをそれでも願う

第10章 冬、めぐる狐日和のなかで





「…………そうゆう理由で、今日石津は休むそうだ。」






月曜の校門前。
始業まではまだ時間がある、そんな時だ。




俺はもちろん制服姿なんだが、目の前にいるルキアは反対に私服で。



不思議顔の水色や俺の後ろでは、退かしたケイゴがなんか騒いでてうるさい。







ズイっと突き出されたのは………ボイスレコーダー。






「これで何かを記録するんだよね?」

「今日の授業を録音してほしいと石津がな。」


「…………真面目かよ!」



「石津さん、勉強頑張ってるみたいだよね。
この前たまたま本屋で参考書読んでるのみたよ」


「本当に偶然か?水色の場合はワザとなんじゃないのか!」

「うるさいです浅野さん」


「いい加減敬語ヤダって!てか俺もルキアちゃんと話したい‼︎」


「ウルセーっす浅野さん」

「…………………えぇ一護まで………?」




空気を切るように、ルキアの声が耳に響く。






「とにかく、貴様に預ける。
私は一度ソウルソサエティに戻らねばならぬからな。」



「なんかあったのか?」



「定例議会やら復興報告やらといろいろだ。虚退治は、通常通り石津が赴く手筈になっている。
故に一護、貴様も勉学に励めよ。」




「あ?だって石津はやる事があるって……それに本調子じゃないだろ?」



「そこまで軟弱な鍛え方はしていない。任務にも責任を果たす奴だからな。手を抜かんのさ、何事にも。」


「……わかった」


ルキアの言葉は、確かに納得した。
千春の時みたいにその時出来る事をちゃんとする石津の姿勢を知っているからだ。


なら、俺だって自分の出来る事をするまでだ。

手始めにしては--少し簡単な事だが。





ルキアからレコーダーを受け取って、俺たちは校門を潜る。















「石津さん、大変そうだね」
「無理してないといいけど……」

「やばそうなら、行くから大丈夫だろ」


ケイゴと水色の石津を気遣う声に応えながらも、念のための保険をかけようと俺は考えた。

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