第10章 冬、めぐる狐日和のなかで
1時間後ーー。
「お前は本当に…よく血を被るな」
「た、たまたまですよ?好きでやってませんよ?」
斬拳走鬼の攻防の末に、無事に虚を退治した私達は、帰路に着こうとしていた。
昼と同じように返り血を浴びてしまった私を、ルキアさんは呆れ半分心配半分の顔で見てる図が出来上がる。
「またお風呂入りますからだ………っ‼︎」
「どうした?」
「……………少し目が、痛くて」
重く痛んだ右目を、ぎゅっと強く瞑る事で落ち着かせる。
少しして顔を上げれば、上官のさらに心配顔がみえる。
「あまり無理をするなよ。
ひと足先に戻って石津は休むべきだ。」
「でも…………」
「休養も大切なことだ。
必要な時に動けなくては意味がないのだぞ。
今日の見廻りは、………と、そうか。
行くところがあるんだったな。」
「はい………ありがとうございます」
仕方が無いなとため息混じりに、朽木副隊長は1時間の暇をくれた。
副隊長の言葉の意味もわかるから、早く済ませて時間に戻れるようにしなくては。
心配をしてくださって、有り難いともちろん思う。
それでも、今からの時間を、私は大切にしたい。
向かう先は、小野瀬川大橋の河川敷だ。