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BLEACH 叶わない願いをそれでも願う

第2章 戸惑いこころ


授業がひとつずつ終わるたびに雲は増え、ついに雨は降り出した。
ザアザアと降りしきる音が教室に届いて
校庭もそこかしこに水溜りができている。


「雨が強いから、お前ら気をつけろよ!」

越智先生の言葉で終わりを告げたホームルームでみんな帰り支度をする。



僕もすぐに帰りたいが、生徒会の資料を提出して捺印を貰わなくちゃいけない。

よりによってこんな時にと思うが、仕方がない。

井上さんと話終えた彼女は外の様子を見て何かを決めた様に席を立ち、なんと僕の方を向いた。


「あの石田さん、図書室の場所聞いてもいいですか?」

「……構わないけど、帰らないのかい?」

「しばらく動かない方がいいなと思ったんで勉強してます。ただ、場所が分からないので、お願いします!」

面食らいつつも僕は応えて案内する。

井上さんの視線が少し気にはなったがそのまま教室を出た。



図書室までの道のりは、各学年の渡り通路を抜けて別棟まで行く。

そして階段を降りればすぐに着くのだが、無言の僕らには少々長い道のりだ。

数歩後ろの彼女はきょろきょろしながらも道順を覚えている様だ。

昼間の時間があったとはいえ、今日のまともな会話なんてさっきくらいだろう。

  「石津はお前と話したそうにしてたぞ」

茶渡くんに、そう言われた。

僕だって分からないわけではない。

ただ、そうなる前に席を外していた。



だいたい僕はーー



「あの、石田さん。図書室ってここですよね?」

「………え?ああ、そうだね。ここだよ。」

彼女に言われて振り返れば、引戸に図書室の木板が下がっている。


「すまない、考えごとをしていたんだ。
もう、大丈夫かな?」

「はい、わざわざすいませんでした。
生徒会のお仕事がんばってくださいね」

その言葉に僕は歩もうとした足を止めてしまう。

「どうしてわかったんだい…」

「すぐに帰らないのは、そのお仕事があるのかと思ったんです。それに、手にしている資料があったので。」

「………そう。」

「………それじゃ、失礼します。」


図書室に入る彼女の姿を僕はただみていた。

なんだろう。初めていつもと違う会話をした気がする。

不思議な気持ちになった。
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