第9章 約束したから
なんて言葉にしたらいいのか、わからない。
黒崎と分かれてからの帰路に、石津さんと茶渡くんの霊圧を感じて足を向けた先でーー見聞きした会話。
耳が拾う途切れ途切れの会話もそうだが、二人を取り巻く雰囲気に、動けなくて。
戸惑う頭で状況を整理する事に夢中で、茶渡くんに声をかけられるまで反応が遅れる。
僕自身ですら不自然だと思った挙動は、茶渡くんにも余計な心配をかけさせてしまったと反省しつつ--彼の優しさに結局甘えてしまった。
「悩みというか、茶渡くんや石津さんが近くにいるのがわかって、声をかけようとしていたんだ………けど。
大事な話をしているみたいだったから、そのままいてしまって。
すまない、茶渡くん!偶然とはいえ盗み聴きみたいなことをしてしまったんだ……」
聞いてはいけなかったのではと、胸に閊える罪悪感と素直に申し訳ない気持ちが溢れて、頭を下げる。
「石田に落ち度なんてないんだ。
俺も偶然石津と会って、流れで相談に乗っただけなんだ」
「そうなのかい…………………彼女、大丈夫かな」
本当は心配じゃない訳はなくて。
遅ればせだろうと、なれるのならチカラになりたい。
無意識に眉間に皺が寄っていたみたいだ。
「俺の感じた限りは、少し時間が必要だろうと思うが、石津の事だ。心の強いやつだし石田の言ったように大丈夫になる」
ふっと笑って茶渡くんは話してくれた。