第9章 約束したから
橋の塔の上で、足をだらりと伸ばしながら仰向けになる。
目の前は月冴ゆる夜で、いつにも増して星がよく見えた。
冷たい空気に、白い息が溶けて。
頭が落ち着いてくる。
目を閉じて思う。
石田さん。
思い返した時、最初にあるのは……疑問だった気がする。
他の方と自分との感じる空気の違い。
すごく些細なものだけど、どこか線引きをしているような、そんな感覚。
気にはなっても、臆病な私は口には出さなくて。
そうして過ごすうちに知った、疑問への答え。
関わる気はないと告げられて、戸惑わなかったわけじゃない。
言葉や表情は冷たいはずなのに、それには哀しみが滲んでいたから。
痛くて、見れなくて。
知らなかったとはいえ、心は軋んだ。
石田さんのご友人の話を知った今なら、その行動の意味も、言葉も、仕方のないことなのかもしれないと、私は思うから。
それに、あんなに辛そうな顔をさせてしまった事実が、私は嫌だった。
だから謝りたかったし、彼なりに苦しんでいることを知った。