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BLEACH 叶わない願いをそれでも願う

第2章 戸惑いこころ


黒崎にいろいろ言われたが答える気はない。

まあ、ここにきた時点で
僕もどうかしてるとは思うけど。



茶渡くんに誘われて付いてきたが、
直前で聞いた井上さんの計画。

彼女と昼食をしながら仲良くする計画、らしい。

そんな計画なら間違いなく僕は行かない。
でも気付いたら目の前は屋上。


まさか、こんな事になるなんて。



「あれ。今日って午後から雨降るの?」


食べ終わったお弁当を片していると井上さんの声。


其方に顔を向けると彼女もスマホをのぞいて
何やら話していた。

雨が降るならいろいろ面倒だと話しているのだろう。



「私は雨嫌いじゃないです。
上がった後の空がきれいなんですよ。」



笑顔で言った彼女の言葉を耳が拾う。



聞き間違い……じゃない。

まさかと思いつつも、彼女を見てしまう。


「…い、おい、石田!」

「大丈夫か?」


「…ああ。すまない、思い出した用事があるから僕は先に失礼するよ。」



黒崎と茶渡くんに呼ばれていた様だ。
小島くんや浅野くんも不思議そうに見つめていた。


その言葉と共に僕は屋上を去る。

彼女がこちらを見ているのを感じていた。




バタン。

扉の音が重く階段に響く。
進んでいた足は踊り場でパタリと止まる。



彼女の言葉はむかし、聞いた覚えがある。

幼き日の彼女が僕に言ってくれたんだ。




『しーちゃん!走ったら転んじゃうよ。』

『だーいじょうぶ!見てみて、いっちゃん!きれいでしょ?』


雨上がりの道に雲ひとつない空。
空気も澄んでいて草木がキラキラしている。

『この空が見れるから、すきなんだ雨!』


それ以上にキラキラした笑顔を僕は見た。



そんな記憶が頭を過ぎる。



「どうして……重なるんだ」



誰に言うでもなく呟いた言葉は空気に溶けて消える。



心はぐるぐる渦巻いたまま。
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