第2章 戸惑いこころ
クスっと笑う井上さんに目がいく。
「ごめんね、石津さんがそんなふうに慌てるの初めて見たから意外だなあって思って。」
「確かに。落ち着いて躱すタイプかと思ったな。」
茶渡さんの一言に、急に恥ずかしくなってしまう。
そういえば、思わず立ち上がっていた私はゆるゆると座り直した。
「大きな声ですいません。」
もぐもぐとカレーを食べ出そうとする私に本匠さんが声をかける。
「石津さんはずっと敬語で話すの?気になってるんだよね。友達になるんだし崩そうよ!」
「そう…でもないですけど、なんかこの話し方になってしまってますね。気になりますか?」
「ちょっと話辛いかなとは思う。」
「善処しま…するね。」
私の言葉にニコッと笑った本匠さんや有沢さん。
カレーは昨日よりも美味しく感じる。
「女子の会話だねぇ。華があっていい…」
「オヤジ臭いですよ、浅野さん」
「やめて!」
ぎゃいぎゃい争う浅野さん達の隣で
黒崎さんは石田さんと何やら話している。
「てか、石田もなんか話せよ。」
「君らの会話で十分楽しんでるよ僕は。」
「石津の為にって集まったんだろが。なんかあるだろ」
「特にはないね」
気にはなりつつも井上さんに話かけられながらご飯を食べる。