第9章 約束したから
"なんでアンタが謝るんだよ……ッ"
気付けば、声をあげていて。
でも、気持ちは一度溢れてしまえば止められなくて。
"俺だって何も出来なかったっ。
チカラが有れば、アンタに怪我させるなんて無かった……。
悔しいのは俺だって同じなんだ!"
"一緒に強くなれてると思ってた!"
俺だって、そう思ってたさっ!
人より覚えが悪いアンタが。
人一倍時間をかけて、努力してたんだ。
剣の握り方・振り下ろし方・刀に力を載せて斬ること・相手の刃を己のそれで受けきること。
あげればキリが無い。
そうゆう事ひとつひとつが、刀を持って闘うということだ。
大事な事だと、毎日少しずつでもやってただろ。
目標にしたい人がたくさんいるから頑張るんだって。
鬼道も、たくさん勉強して。
出来ることが増えれば、それだけ強くもなれるって、言ってたろ。
知ってるんだ、アンタの努力してる姿を。
だから。
アンタに俺の名を告げれるだけのチカラを、声を届けられるようにするチカラをつけたいと思った。
どんなに言葉を重ねても、伝わらない。伝えられない。
大事なものはまだーー手渡せていないけれど。
それでも、一緒に戦いたいって思ったんだよ。
"アンタだけが……謝ることなんて無いんだ"
自分の声が頭に響いて、まるで痺れるみたいだ。
苦しくて、重い。
でも、どうしてもーー。
今まで見てきたアンタ自身の姿を否定するなんて事、してほしくなかったんだ。