第9章 約束したから
相対した虚に怖くない筈なくて。
斬魄刀を握り締めた手の震えは、押し込めたくても、止まらなかった。
それでも、私は虚に向かっていく。
どんなに切り結んでも、躱されるか力押しされてしまう。
そこから立て続けに二度の打撃を喰らう。
「あっ!………ぐあっ!」
終いには、弾き飛ばされた拍子に斬魄刀を手放してしまった。
「縛道の…四 這縄!」
辛うじて放った鬼道で、一時的に虚を大木に縛りつけたのを目が捉えた。
早くっ早く………刀を手に取らなくちゃ。
あの鬼道は長くは保たない!
「くぅ……………っ!」
這いつくばった先に、目の前に斬魄刀が有るのに、どんなに手を伸ばしても届かない。
どうしてっ!
どうして‼︎
斬魄刀がないだけで
こんなに私は無力になってしまうの?
仲間の傷を癒やし、休ませる事も
己の体の傷を癒やして、戦う事も出来ない。
何も 何も 出来ない。
虚の雄叫びが頭に響いて、大きな気配が動き出したのがわかって、焦る。
振り向かずに手を伸ばして!
少しでも、身体を前に動かして!
早く………手に掴んで立ち上がらないとっ。
持ち堪えないと。
そうでなきゃっ…………
みんな、みんな死ぬ!
嫌だ。
死にたくなんて無いのに………!
風が 鳴いた音を 聴いた
そんな気が した