第8章 鈴音の再会
私の心は、苦しくなる。
悲しみや辛さを見せる石田さんを知ったのと同じだけ、優しい言葉や表情をたくさん見せてくれた事も、心に残っているから。
「嫌な思いなんてしてない。
………むしろ心配したんだ」
「今は無理でも、ゆっくり僕等に頼ってよ」
「…………………っ………ありがとうっ…」
不甲斐ない私に、寄り添ってくれた。
話したくないであろう事でも
真っ直ぐ、目を逸らさずに言葉にしてくれた。
私は、それがーー気づかないうちに嬉しかったんだと思う。
重い心をどうにか軽くしたくて、溜息をつく。
これじゃあーー、織姫さんが言った通りだ。