第8章 鈴音の再会
ずっとーー頭から離れない。
石田さんの言葉や、"あの時"の辛そうな顔が。
「………君が、大事な友人と重なるんだ‼︎」
ギュッと寄った眉間
思い詰めた瞳
漸く振り絞った言葉
「彼女は………たったひとりで死んだんだっ!
自分の所為でないなら、他に何があるって言うんだ………!」
耳に響いた、哀しい彼の本音。
昼間に見た墓石が、頭を過ぎる。
記された字
同じ音の名
石田さんが、出会った当初に私を避けていた理由がーー点を結んで繋がるように解った気がした。
憶測たが……当たっている確率は決して、低くはないだろう。
彼の亡くなってしまった友人の方は、私に似ているのではなく、同じなのではないか。
魂の有り様は分からずとも、存在が同じなんじゃないか。
だから、戸惑いや距離を置く事も不思議ではないし、誰しも同じ立場ならば……そうしてしまうだろう。
そう思い至った時に、胸が苦しくなる。