第8章 鈴音の再会
黒崎さんは一度家に戻ると告げて、ルキアさんとも分かれた。
井上さんは悩み抜いた末にアイスを選び、会計中だ。
私も飲み物をと探したが、これといって欲しい味のものが無く、諦めて店外へ。
そこには、黒崎さんが男性陣に合流していて
話を聞くと、妹さんに買い忘れを頼まれて来たらしい。
よくある事で参ったと渋々な口調の割に、それでも断らないあたりがお優しい方だなぁと、私は思う。
井上さんもお店から出てきて、最近の虚の動向や出現率を話した。
私が怪我を負って以降、目立った虚の動きは無いのが皆さんの中では安心材料になった様だが、無理はするなと釘を刺されてしまった。
あと一月も経てば、学業に区切りが付くと皆さんは仰っていた。
なんでも霊術院の卒業試験のようなものが控えていると、浦原さんから聞いている。
かなり集中して取り組まなければいけないし、皆さんにとって大切な事なのは、わかる。
私も頑張らねばと、改めて思うのだった。
そんなことをして皆さんと過ごしながらも、いつもの様に過ごせているーーと思いたい心が私の中にはあった。
今日のお寺での出来事が頭から離れないせいで、ごちゃごちゃしていたんだ。