第8章 鈴音の再会
商店前の道で、私は皆さんを見送りするために外へと足を向けていた。
「それにしても意外だったな。石津さんと朽木さんが、実は先輩後輩の関係だったなんて」
「いきなり名前で呼んでいたから、俺も驚いた」
「ルキアみたいなヤツが先輩とか……いろいろ面倒くさそうだな」
「何を言う一護!失礼な奴め」
「絵が最低にヘタだし、ただの伝言も暗号にして直ぐにわかんねーじゃねぇかよっ」
「…………」
「おい実穂、何故目を合わせぬのだ?」
「……………イヤ、ナンデモナイですよ?」
「一護‼︎」
「いってーな!蹴るなバカっ」
まさか話が良くない方へと進むとは思わず、どうしようかと慌てていた私や茶渡さん、石田さんのもとに、小走りで井上さんがお店から出てきた。
「ごめんね、みんな!鍵見つかったよ!」
「家に着く前に気づいてよかったですね」
「うん!」
「じゃー帰るか」
「まだ7時半なんだね。もっと遅い時間かと思っちゃった」
「帰りが遅くなれば、浦原さん達に心配をかけてしまうから丁度いい時間だな」
「朽木さんや石津さんは、どうして僕らと?」
「私は一護の妹達と読書会だ。久方ぶりだから、楽しみだ」
「お前……いつの間にそんなことしてたのかよ!」
「私は飲み物が欲しくて、コンビニまで行こうかと。後は……お腹慣らしにちょっと歩きたかったんです」
てくてくと歩くこと、10分。
コンビニにたどり着いた私達は、思い思いに過ごしていた。