第8章 鈴音の再会
自分にたくさんの視線が向いている事に気恥ずかしくなった僕は、眼鏡を直す事で落ち着きを取り戻そうと努めた。
そんな時、スッと視界に入る冷たいお茶が入ったグラスの差出人は、石津さんで。
「石田さん、これ良かったらどうぞ」
「……ありがとう」
渇いていた喉に、有難い潤いだ。
「気が利くな、実穂」
「き、急に持ち上げるのやめてくださいよっ!
恥ずかしいですから……」
「皆さん!まだまだお肉も野菜もありますからね!僕らだけじゃ大変っスから、遠慮しないで食べてくださいっ」
浦原さんの声がかかり、わいわいと賑わう食卓は、食べに食べた末にあっという間に終わってしまった。