第8章 鈴音の再会
ふわりと部屋の中に風が吹く。
気配を辿れば、風司が音もなく姿を表した………のだが。
眉間が皺だらけな上にものすんごく、仏頂面だ。
すごいったら、すごい。
「…………………」
「………………後で必ず、話してくれ。
俺も、話すから。今は行かなきゃなんだろ?」
しばらく互いを見ていた私達は、風司の言葉によって重かった空気は変わる。
何を言っても、今はダメだとルキアさんと同様に彼は判断したらしい。
「……………ありがとう風司、行ってくる」
着替えを済ませて、ゆらりと姿を消した相棒に小さく声を掛けて、部屋を後にした。
「まったく………困った主様だぜ」