第8章 鈴音の再会
右に左に振られ続けた挙句、勢いよく地面に叩きつけるために振り下ろされたタイミングで、私は手を離し虚の体の真下に体を滑り込ませる。
「破道の四 白雷‼︎」
一筋の白い閃光が、虚の左側の手足胴体を貫いた事で、敵は動きを止めてしまう。
すかさず朽木副隊長に斬り伏せられた虚は、塵となって消えていく。
「まったく、無茶をするなとあれ程…………なんだその顔は⁈」
「あ、いや。
逃げそびれて、血を被っただけですよ。
大丈夫で…………」
「どうした?」
「人の気配と、微かに虚の匂いが風に混じって……」
再びの、虚出現を示す電子音がお寺内に響く。
呆れ顔だった副隊長は、瞬時に指示を出してくる。
「私はこのまま討伐に向かう。
場所は特定できたしな。
石津は、気配を辿って人間の保護を最優先だ。
……顔だけは、拭いてから行け」
「了解しました!」
互いに頷き、地を蹴り、私たちは散開した。