第8章 鈴音の再会
大仕事を終えて、安堵のため息をつく。
そして視線を感じた先に、くるりと目を向ける。
「待たせてすまないねえ………と言うか、動けなかっただろう?」
「いえ………。
それよりも、黒崎や阿原井に………傷の手当てをお願いします。
貴方が来る、ほんの少し前に………倒れてしまったからっ」
「勿論要請はしたけど、君は大丈夫なのかい?
随分とボロボロだけど………」
「僕は、大丈夫です……」
彼の言葉を聞いてから、なんとなく話は途切れた。
話したくない………と思う気持ちも、彼にはあるのかもしれない。
「少し時間があるからさ、よかったら話相手になってくれるかい?
いやもう疲れちゃってさ〜」
「………………は?あ、いや、別にいいんですが。
と言うか、僕の事捕縛しないんですか?」
よっこらしょと瓦礫に腰を据えたボクに、気を取り直した彼の言葉が聞こえた。
じっと此方を見てくる瞳に、しばらく無言を貫いて目線を合わせ続けた。
「必要あるのかい、一矢報いた君に?」
「………………!」
「その姿をみれば、敵さん側だったのは明白。でも、ユーハバッハの傷から君の霊圧を感じたよ。
ボクの見立てって意外と当たるんだよね」
へらりと笑いながらも、ずっと心に思っていたことを口にする。