第8章 鈴音の再会
あれは、霊王護神大戦終結の直後だったーー。
形容し難いほどの力の奔流が途絶え、ようやくソウルソサエティの地に足をつけた京楽。
事切れた、滅却師の王。
傷付き倒れる、死神代行の少年。
目にしてみれば、自分が思い描いてた予想通りの展開に溜息をこぼす。
ちらりと愛染をみればかなりの重傷であり、その事に驚く。
あの男が手傷を負い、まさか敵対した我等に協力するとは………。
いくら此方からの誘いで解放したとわいえ、だ。
状況が変われば、行動も変わるのかねぇ。
彼は、きっと協力したなんて口にはしないだろけど、誰が見たって僕と同じことを思うはずだよ。
だけど、罪人である事にはかわりない。
懐から出した小さな玉を、手の中で砕く。
と同時に、愛染に霧散した光の欠片が纏わり付き、彼を玉の中に閉じ込めた。
「なんの真似だい…京楽隊長」
「悪いけど、君の自由はここまでだ。
浦原店長からの霊王宮土産だよ。
じきに、君は何も出来なくなる。
仮封印ってやつさ」
「また、あの…男か………つくづく理解………出来んな…」
眠りに落ちるが如く、愛染は動かなくなった。
「………………本来は玉に入った瞬間からああなる筈なんだけど、本当に嫌だよ君は。
さて、次だ」
先程と同じ事を滅却師の王にも施し、最後に札を貼りつける。
和尚に手渡されたその札は、僕には読めない。
でも、それでいいのだ。
これから先は、零番隊の管轄だからね。
触る神に祟りなしさ。