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BLEACH 叶わない願いをそれでも願う

第8章 鈴音の再会



「術式固定、開門処理完了致しました!」



「はーい、鬼道衆のみなさんお疲れ様。
準備は大丈夫かい?実穂ちゃん」



「地獄蝶もついてます。
いろいろありがとうございました、総隊長」



じーーっと何かを確認する様に、京楽総隊長に見つめらた私は、どうしたのだろうと聞いてみた。



「あ、あの……?」

「いんや、コッチに来てからだいぶ霊圧の損傷は落ち着いたみたいだなぁと思ってね。」




気遣ってくださっていたのだと、総隊長の言葉に合点がいった。



「私もそう思います。

砕蜂隊長との修行で荒療治ですけど、戻りつつあるのを感じます。

ましてや、霊子が現世より満ちてますから…それもひとつの要因かと。」


「そいつは何よりだ。
じゃあ、気をつけて行ってきなさいね」

「はい、行ってきます!」

改めて総隊長に一礼をした私は、気持ちを入れ替える為に、勢い良く穿界門に向かって飛び込んだ。


術式展開を終えて、穿界門は光と化して霧散していく。

その様を見ていた京楽は、隣に立つ気配に声をかける。

「彼女のチカラが万端回復するまで僕の見立てじゃ、あと少しってところかな………ねぇ、七緒ちゃん」


「隊長が仰るとおりですね。しかし、完治するまで此方で過ごすのが良かったのでは?」

「もちろん僕も言ったんだけど、彼女が決めた事なんだ。

短期の帰還で治ろうがそうじゃ無かろうが、自分の責任を果たす為にやりたいってね。」

「責任………空座町での任務ですか。
彼女らしいとは思いますが、何かこう、傾倒しているように感じます」

「肩の力を抜けるといいかなぁ。
ほぐしてくれる誰かの手が………彼女には必要なのかもしれない」


心配そうな顔の七緒ちゃんに、大丈夫さと笑って歩き出す。









彼女はひとりではない。

いざとなれば、一護くん達がいるんだ。

彼の性分からして、共に過ごすだろうあの子を放っておくなんて事はまずない。


彼らの仲間も同様だ。

僕としては………滅却師の彼にも頑張ってほしいと勝手に思っている。

なんてね。
年寄の戯れだ。




「なんて顔してらっしゃるんです総隊長………みっともないですよ!」

「いやぁ、若いって青春だなと思ってね」

「そんなこと言ってないで、早く書類整理してくださいっ」

「七緒ちゃんのいけず〜」
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