第8章 鈴音の再会
また来るからと手を振ってくれた、お姉ちゃん。
逢えた時間は短かったけれど、やっぱり嬉しい。
「あの子………何か自分から千春に話してくれたかしら?」
家に戻ったとき、そんな風に母さんに聞かれた私は、ありのままを話した。
話したのは私で、聞き役はお姉ちゃんだったと。
すると仕方がないなぁと溜息を漏らした母さんは、心配そうに戸口を見つめた。
「大丈夫だよ、母さん!
お姉ちゃんすっごく強いんだもん。千春の事………ちゃんと護ってくれたの!
それにっ、お姉ちゃんひとりで戦ってなかったよ。一緒に戦う仲間が、友達がいたの!
何にも言わなくても、きっと元気だよってことだと思うの!
だからね………だからっ、大丈夫だよ」
私がいきなり話出したために、ぽかんとした顔の母さんだったけど、やがて優しい瞳を私の視線に合わせるようにしゃがんでくれた。
「そうなのね。
ありがとう………母さんのこと安心させてくれようとしたんだよね。
母さんに千春が居てくれるみたいに、きっとあの子にもそばにいてくれる人達がいるのね。それがわかって、安心だわ。」
ふわりと撫でられた手が、気持ち良くて。
母さんの言葉が、嬉しくて。
私は、同じように笑った。
「ねぇ千春、お母さんにその人たちの事を教えてくれない?あの子には内緒で……ね。」
「どうして?」
「恥ずかしがって話してくれないのよ…」
「わかった………。し〜だよ?母さん。
次にお姉ちゃんに会っても、ニマニマしないでね?」