第8章 鈴音の再会
「千春ちゃん!?」
「実穂お姉ちゃん………‼︎」
逢えたことへの興奮と驚きで、思わず大きな声を出してしまったが、走り寄って来た千春ちゃんを私は抱きとめた。
現世で魂葬をして別れて以来、私は千春ちゃんを時間がある限り探していたのだ。
あの時より、少し髪も背も伸びてまた可愛らしくなっていた。
「やっと逢えたっ!」
「うん、元気そうで良かったよ!
それにしても、どうしてここに?」
「実はね………」
どうやら千春ちゃんは、復興作業の邪魔にならない様にこの場所に来ており、そこで時折、花を手向けてくれていた様だ。
「なるほどね………っと、風が冷たくなってきた。
家まで送るよ千春ちゃん」
「いいの?時間あんまりないんじゃ………」
「大丈夫だよ。
私の予想が当たってれば、すぐそこだからね」
「どうゆう事?お姉ちゃん?」
不思議顔の千春ちゃんに、大丈夫だからと笑いながら林を抜け出た私達は、帰り路を歩いた。