第8章 鈴音の再会
順子、壮一、悠兄さん、奏。
私のーー兄妹達だ。
血の繋がりもない、本来なら他人同士の者達が身を寄せ合って暮らす場所が、流魂街。
それでも家族となった私と彼らには、たくさんの思い出があったから………亡くなったと知った時は苦しかった。
でも、生きたから。
私は、生きれたから。
彼らの分まで長生きしてーーやるべき事をしようと、決めた。
だからまた、歩き出せたんだ。
「久しぶりに会えて、よかった。
またすぐ現世だけど、今度は手土産持ってくるよ。」
最後に手を合わせて、立ち上がる。
ちりぃん ちりん。
耳に届いた鈴の音につられて顔を上げれば、女の子が立っていた。
その子がまさかーー千春ちゃんだと思わなかったから、かなり驚いてしまった。