第7章 その日 口火を切る
なんてーー答えたらいいのかな。
「何を言う………実穂にとっても、彼奴らとの絆はあるだろう?」
ルキアさんの言葉が、自分の中で響いている。
「そうであればと、信じたいですけど………」
喉がしめつけられて、言葉が続かずに俯いてしまう。
過ごした時間は短いけど、私なりにみなさんとの絆はあると信じたい。
でも、簡単に言葉には出来ないとも思う。
黙ったままルキアさんは動かない。
だけどそれは、私が話すまで待っていてくれているのだと感じた。
「任務をしながら皆さんと過ごす時間は、未熟な私には特に必要なものだと思います。
私ひとりではなく皆さんがいたから、ここまでやれてるんだと感じています。
出会えてよかった、一緒にこの町を護れてるって誇らしいし、送り出してくれたルキアさんには感謝してます。
ただ時々…………苦しく感じる時があるんです」
最初はただ、仲間になりたいと必死だった。
チカラをつけて、自分に与えられた事を真摯に受け止めてやりたいと思ったから。
その中でみなさんとの絆は欠かせないものだし、私自身がみなさんの事を知りたいと考えるようになっていったのもある。
少しずつ打ち解けて共に過ごしていくうちに
"わたし"と"みなさん“とには、変えられない事実があると思うようになった。
死神と人間。死者と生者。刻む時の流れ。
どれもが、違うんだ。
ずっと今のままではいられない。
どんなに心を寄せてもーーいつか離れる時はくる。
そう考えている自分に気付いては、また苦しくなるんだ。
ーー大事だと、認めてしまえば戻れない気がして。
ーー立つべき場所が、ぐらつきそうで。