第7章 その日 口火を切る
言葉を紡いで膝を抱えている実穂は、いつかの自分の姿をそのまま見ているように感じた。
ツキリと胸が痛んで、ジクジクする。
「経験者からすれば………なるほど彼奴らのもとは、居心地よすぎる。
私には毒だとすら思ったくらいだ」
私の言葉でガバリと顔を上げた実穂に、ふっと笑って見せた。
ーーあの頃。
彼奴らの関係と私自身を比べていたんだと思う。
賑やか過ぎてほんの少し煩わしいとさえ感じたが、それすらいつの間にか楽しんでいた。
私が、知らなかった空気間。
手に出来たらと憧れた場所。
だからーー羨ましいと、強く感じたのだ。
同時に、自分の思考に呆れてもいた。
死神として、私は現世で任務をしている身。
霊術院でしかと死神はどうあるべきか学んだはずだし、その信念は忘れてはならない………曲げるつもりもないものだ。
しかしそれすら霞むほど、彼奴らは眩しすぎた。
お前だけではないと伝えたい。
苦しいなら、吐き出して楽になればいい。
そうすれば、その中で気付かなかった答えが見つけられるかもしれない。
それが今は、実穂にとって必要なこと。
その為ならば幾らでも、語らおう。