第7章 その日 口火を切る
何か話さなければと考えていた時、ルキアさんがぽつりと呟いた。
「現世での生活はどうだ?
三月も過ぎれば慣れたか?」
「そうですね、ソウルソサエティとはだいぶ勝手が違いますが慣れました。
出会う人々に恵まれているのも………あるんだと思います」
「彼奴らはなかなか賑やかだからな。
私も初めは驚きと戸惑いの連続だったが、必死だったあの日々は今となっては………少し懐かしくもある」
「ルキアさんでも戸惑うんですか?」
少し意外に思って言葉にすると、至極真面目な顔でルキアさんは答えた。
「考えてもみろ、実穂。
最初に出会った人間が死神をその眼にして会話し、自力で鬼道の拘束を解いたなら………驚き以外にどんな感情がある?」
「………………………………どうかしたのかと思いますね」
頭で思い描いてみると、確かにルキアさんの言う通りだ。
結構、心に衝撃がはしるだろう。
「もしかして、その方は黒崎さんですか?」
「ああ。
他の3人とも同じ時期に出会ったが、今はたくさんの時間を過ごしたからか、それなりに絆はあると思っている」
「いいですね………そうゆうの」
見ていれば、わかる。
ルキアさんの話す声や懐かしむ顔が、優しい色を滲ませたものだってこと。
それだけ、彼らはルキアさんにとって大きい存在なんだと私は思う。
「何を言う………実穂にとっても、彼奴らとの絆はあるだろう?」
キョトンとした顔で、ルキアさんは私に聞いてきた。