第7章 その日 口火を切る
真っ直ぐそらさずに、石田さんの瞳を見つめた。
どうか 自分を責めないでほしい
悲しかったのは
苦しかったのは
あなたも 同じなんだから
「私がいちばん………悲しかったのはっ、石田さんが泣けずにいることですっ」
「大切な人の死を受け入れる事は、辛いですっ。でもその心を押し殺して、自分の所為だと苦しめるのも………違うと思います」
ぴくりと石田さんの眉根が動いて、彼は暫く閉ざしていた口を開いた。
「僕は、"友達"との約束すら………守れなかったんだ。何があっても助けに行くって。そばに………いてあげるって。
そのどちらも叶わず、彼女は………たったひとりで死んだんだっ!
自分の所為でないなら、他に何があるって言うんだ………!」
哀しみと自身に対する怒りが、彼の瞳に滲んでいた。
ズキリと、私の心は痛んだけれど………言葉を止めたくは無かった。
暗い場所に縛られているのを、見たくなかった。
その紐をきつくして、苦しめてる貴方を………助けたかった。