第7章 その日 口火を切る
「………なんて具合に、よく3人で過ごしたんだ」
「その方は、石田さんにとって確かに大事な人ですね」
「そうだね。彼女は僕に、自分では分かりえなかった事の知るきっかけをくれたから。
だから一層、修行に打ち込む励みにもなった」
言葉をきった石田さんは、懐かしそうに細めていた目をゆっくりと私に向けた。
さっきとは違う雰囲気に、小さな戸惑いが心に広がる。
………なんだろう。
どうしてそんな、真っ直ぐ見つめるの。
次の言葉を待つ私は、内心ドキリと緊張した。
暫くの無言の後、石田さんは再び口を開いた。
「そんなことがあったある日、彼女の願いを叶えたいと思う出来事があった」