第7章 その日 口火を切る
石津さんがソウルソサエティから空座町に来たみたいに、彼女もまた両親の仕事の都合で引っ越してきた。
「そう言えば、その方と私は………似通ったところがあると言ってましたね」
「今思えば、半分くらいかな」
僕ははじめ彼女の事を、その………満月みたいだなって思ったんだ。 恥ずかしい話だけどね。
物静かだけど、優しくて。
なんか………キラキラして綺麗だなって。
「でも実際は、嵐みたいな子だったんだ」
「あ…嵐ですか?」
すごい勢いでみんなを巻き込んで、しっちゃかめっちゃか。
でもその嵐の中は、いつだって笑顔でいっぱいで。
僕も気付いたら、その中に居る事もあって。
それはやっぱり楽しかったんだと思う。
それでも僕は、まだ彼女の事をちゃんと知らなかった。